自然農法の実践において、大きな壁となるのが草の管理です。
油断すると雑草は畝を覆い、野菜の成長を阻みます。
「草を敵としない」と理解していても、草取りに追われる場面は多いものです。
しかし、自然栽培を長年続ける圃場では、大きな変化が起こります。
今回は自然栽培歴20年の今橋さんの動画をもとに、その内容を整理しました。
雑草への認識を変え、除草なしで野菜を育てる仕組みを解説します。
地下茎だらけの畑から「除草ゼロ」への劇的変化
今橋さんの圃場も、最初から除草が不要だったわけではありません。
開墾当初は、地下茎を持つイネ科の草や芝が一面にはびこっていました。
当時は毎日のように草取りに追われていたといいます。
自家採種を続け、無農薬・無肥料の栽培を10年以上継続しました。
その結果、圃場の環境に明確な変化が現れました。
1. 厄介な地下茎が自然と姿を消した
あれほど繁茂していた地下茎の草が、次第に生えなくなりました。
代わって圃場を覆ったのは、オオイヌノフグリなどの背丈が低い草です。
柔らかい草が自然と優占する環境へと変化しました。
2. 草取りをしなかった方が野菜が育った(リーキの実験)
オオイヌノフグリが広がる畝で、今橋さんは比較実験を行いました。
草取りをした列と、そのまま残した列を用意して成長を比べます。
その結果、草を残した列のリーキ(ポロネギ)の方が太く立派に育ちました!
オオイヌノフグリが土を覆い、適度な水分を保ってくれたためです。
3. 一度も草取りをせずに収穫へ
現在の圃場では、作付けから収穫まで一度も除草しない畝もあります。
見事なレタスやターニップ(カブ)が無除草で収穫されています。
土の力が十分に高まると、野菜の初期成育が雑草を上回るからです。
草に負けることなく、野菜が順調に育ちます。
畑を豊かにする雑草の「7つの利点」
雑草は野菜の養分を奪う邪魔者と見なされがちです。
しかし、自然の循環においては重要な役割を持っています。
今橋さんが挙げる雑草の利点は、以下の7点です。
土の水分を保持する
草の生えた土は、露出した土に比べて湿り気が保たれます。
葉が直射日光を遮り、過度な乾燥と地温の上昇を防ぐためです。
畝の崩れを防ぎ、形をキープする
砂質の土壌などは、雨風によって畝が崩れやすくなります。
あえて法面に草を生やすことで、根が土を抱えて崩壊を防ぎます。
極上の「草マルチ」になる
刈り取った草を畝に敷くと、優れたマルチとして機能します。
土の保湿や団粒化を促し、新たな雑草の発生も抑えられます。
土壌微生物や小動物の住処・餌になる
地上部を刈った後、地中に残る根は枯れて微生物の餌になります。
根が抜けた跡は隙間となり、空気や水の通り道を作ります。
こうして土壌生態系が豊かに活性化していく仕組みです。
野菜と共存し、互いの成長を支え合う
土が育つと、野菜と草は排斥し合わずに共存します。
土の乾燥を防ぎ微気候を安定させ、結果として野菜の育ちを助けます。
土を耕土・破砕してくれる
硬く締まった土には、太い根や地下茎を持つ草が生えやすくなります。
硬い土を柔らかくするため、植物が深くまで根を伸ばすからです。
人間の代わりに草が土を耕してくれている状態といえます。
土の状態を教えてくれる「指標(インジケーター)」になる
生える草の種類によって、その場所の環境を把握できます。
土が湿潤なのか、乾燥しているのか、肥沃なのかが分かります。
草の状態を見極めることで、適した作物の選択が可能です。
雑草を見れば土の健康度がわかる「4つのステージ」
畑に生える草は無秩序ではなく、土壌の変化(植生遷移)に伴って入れ替わります。
今橋さんは、土の成熟度を4つの段階に分類しています。
| ステージ | 生えてくる代表的な雑草 | 土の状態 | 育てやすい野菜の例 |
|---|---|---|---|
| ステージ1 | セイタカアワダチソウ、ススキ、ヨモギ、チガヤ | 硬く締まった未熟な土。荒れ地 | アズキ、エゴマなど野性味の強い作物 |
| ステージ2 | ギシギシ、スギナ、シロツメクサ、オオバコ | やや酸性、または湿り気がある過渡期の土 | 大豆、枝豆、麦類、サツマイモ |
| ステージ3 | ツユクサ、スベリヒユ、カラスノエンドウ、ハコベ類 | 肥沃度が増し、団粒化が進んできた土 | 大根、ニンジン、トマト、キュウリ、ケール |
| ステージ4 | ホトケノザ、ハコベ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ | 柔らかく肥沃で、微生物層が豊かな成熟土 | キャベツ、白菜、玉ねぎ、結球レタス |
開墾当初に地下茎だらけだった圃場も、やがてオオイヌノフグリへ変わりました。
これは土が「ステージ1」から「ステージ4」へと成熟した証拠です。
土を良くするために草が生え、土が良くなると役目を終えて姿を消します。
そして、穏やかな草へとバトンが渡されます。
実践者としての学び:管理から「共存」へのステップ
注意すべき点として、最初から全く草取りをしなくてよいわけではありません。
土の力が弱く雑草の勢いが強い段階(ステージ1〜2)では対応が必要です。
小さな苗は簡単に草に埋もれて負けてしまいます。
野菜が自力で根を張るまでは、周囲を刈り広げる手助けが欠かせません。
今橋さんは、草を敵視して根絶やしにする姿勢を否定します。
「土を耕してくれてありがとう」という意識で向き合うことが大切です。
土が硬い時期には耕土を行う草が生え、豊かになれば穏やかな草に代わります。
この自然の摂理を信頼できるかどうかが、大きな分かれ道となります。
おわりに
除草作業をゼロにする試みは、単なる手抜きの技術ではありません。
土と作物の力を信じ、自然の遷移を生かした結果として成立します。
最初のうちは、目の前の草の勢いに圧倒される場面もあるはずです。
その際は「この草は土の何を教えてくれているのか」と観察してみてください。
役割を考える視点を持つと、畑の見え方が大きく変わります。
雑草を排除すべき敵ではなく、土を育てる味方として捉え直すこと。
その視点の転換が、自然栽培を深めるための大切な一歩となります。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。












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