自然栽培への転換を考える際、肥料の有無が土や作物にどう影響するのかは重要な論点です。20年にわたり自然栽培を実践する今橋さんは、肥料を使うことで作物の栄養吸収の仕組みが変化すると指摘します。本記事では、肥料が土や作物に与える影響や、虫や病気の役割について今橋さんの解説を整理してお届けします。
肥料を与え続けると作物はどうなるのか
植物は本来、光合成によって得たエネルギーを根から放出し、周囲の微生物を引き寄せます。微生物はそのエネルギーを受け取る代わりに、植物に必要な栄養を届けます。この循環が自然界の基本サイクルです。
しかし、土に肥料を入れると作物は肥料からも栄養を吸収し始めます。肥料を与え続けると、作物は肥料に依存する状態に陥ります。やがて土から自力で栄養を取らなくなり、いわば「肥料中毒」のような状態になります。
この状態から自然栽培へ転換すると、肥料が途切れるため作物は一時的に弱ります。この期間は、作物が土から栄養を取る本来の機能を回復させるための時間です。農家にとっては我慢の時期となりますが、ここを乗り越えることで肥料なしでも育つ体質へと戻っていきます。
なお、これから自然栽培を始める場合は、過去に肥料や農薬が使われていない土地を選ぶと最もスムーズに移行できます。
虫や病気が発生する理由と「肥毒」の浄化
肥料や農薬が残る土地で自然栽培を始めると、虫や病気が多く発生することがあります。自然の仕組みにおいて、虫や病気には土や作物を浄化してきれいにする役割があるためです。
土に残った肥料や農薬の成分は「肥毒(ひどく)」と呼ばれます。虫や病気は、この肥毒を土から消し去るために集まってきます。その過程で作物の生育が停滞したり枯れたりすることもありますが、これも自然な浄化作用の一環です。
そのため今橋さんは、虫や病気を敵と見なすのではなく、より良い野菜を一緒に作る仲間と捉える姿勢を推奨します。自然への感謝の気持ちを持ちながら見守ることで、病気の被害を乗り越えられる場面も多く見られます。
土の硬さと葉の色の変化に見る違い
肥料の使用は、土の物理性や作物の葉色にも直接現れます。
慣行農法から切り替えた生産者の声として多いのが、肥料を使うと土が締まって固まりやすいという点です。自然栽培に転換すると土は次第に柔らかくなっていきます。土が硬いと作物の根が伸びにくくなるため、土が締まらない環境を整えることが大切です。
なお、トラクターによる耕盤層の形成を気にする声もあります。これについて今橋さんは、14年間にわたり2ヘクタールの農地でトラクターを使用してきた経験から、過度に深刻視する必要はないと述べています。
また、作物の葉の色にも明確な差が出ます。肥料を与えると窒素過多になり、葉の色が濃い深緑色へと変わります。一方、自然栽培で育つ作物の葉は、本来の穏やかな黄緑色やライトグリーンを保ちます。
自然栽培における成長のプロセス
肥料を使う栽培と使わない栽培では、成長のスピードと経過が大きく異なります。
肥料や農薬を使うと、一時的に栄養が急増するため初期の生育は早くなります。対して自然栽培の作物は、初期段階ではゆっくりとマイペースに育ちます。しかし、一定の段階を越えると一気に成長が加速し、最終的には収穫期に追いつくことも珍しくありません。
また、土が清浄になると虫が寄りにくくなり、病気への抵抗力も高まります。病気にかかったとしても、自活力で回復するケースがあります。今橋さんの畑でも、病気で瀕死状態になったナスに感謝を込めて見守った結果、見事に回復して収穫に至った事例がありました!
土本来の力を引き出す農のあり方
自然栽培の視点からは肥料の課題が語られますが、今橋さんは慣行農業を行う農家への敬意も忘れてはいけないと強調します。現代の食糧供給の大半は慣行農法が支えており、私たちの命をつなぐ不可欠な役割を果たしているためです。
その上で、自然農法が目指すのは土壌分析の数値に合わせた施肥管理ではありません。土が本来備えている自然の力を最大限に引き出す点に根本的な違いがあります。
自然農法を長く続けるほど土中の肥毒は減り、土本来の働きが蘇っていきます。作物が健やかに育つ環境を作るためにも、土が持つ本来の力を信じて引き出す姿勢が求められます。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。







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