自然農法や自然栽培では、多くの方が「雑草との付き合い方」に直面します。
「自然農では草を抜かないと聞くけれど、本当に抜かなくてよいのだろうか」
「地下茎の草がびっしり生えてしまい、手がつけられない」
このような疑問や悩みを抱える人は少なくありません。
今回は、自然栽培歴20年の今橋さんの実践をもとに、判断基準をまとめました。雑草を抜くかどうかの基準や、厄介な地下茎を克服した実例、土壌が発するサインについて整理して伝えます。
雑草は抜く?抜かない?実践的な判断基準とコツ
結論として、自然栽培での雑草は「状況に応じて必要なら抜く」のが実践的な判断です。
理念として草を一切抜かない手法も存在します。しかし、現場でまったく除草せずに野菜を安定して育てるのは容易ではありません。大切なのは、自然を尊重しながら野菜が育つ環境を整えることです。
1. 作物が小さい時期は「半径15cm」をすっきり除草
作物の苗が小さいうちは、勢いのある雑草に光や風通しを奪われます。
そのため、株を中心とした半径15cm(直径30cmほど)の周囲はきれいに除草します。作物がしっかり根を張れば、多少草が生えても負けにくくなるためです。
2. 草取りの極意は「生える前〜小さいうち」の先手必勝
草取りで疲弊する最大の理由は、草が大きくなってから抜こうとする点にあります。
おすすめは、雑草が生える前や、ごく小さいうちに表面の土ごと削る方法です。「ガリガリくん」や三角ホーなどの道具を使い、畝全体を浅く削ります。このやり方なら、数秒から数十秒で作業が完了します。
大きく育った草を抜くよりも、小さいうちに先手必勝で処理するほうが圧倒的に省力化できます。削った草は敷き草(草マルチ)として土の上に残しておきます。土の乾燥防止や、次の雑草を抑える効果につながるためです。
土が育つと草が変わる:厄介な「地下茎雑草」を克服した実例
自然栽培を続けて土が良くなると、生える雑草の種類と勢いが劇的に変化します。作物が育つ力が強くなる一方、雑草の勢いは弱まります。その結果、年々除草の手間がかからなくなっていきます。
その象徴的な実例が、今橋さんの畑における「地下茎雑草」の克服です。
トラクターが跳ねるほど硬かった畑が、1年で激変
ニンニクを10年ほど連作した圃場では、シバなどの地下茎雑草が蔓延していました。地下茎の草は、抜こうとして根を切ると分裂して増えてしまう厄介者です。
ある年の収穫後、24馬力のトラクターで耕そうとしました。しかし、土が硬すぎてロータリーが跳ね、まったく刃が入らない状態でした。畝立て用のリッチャーを取り付けて何度も往復し、ようやく砕いて作付けしたといいます。
ところが、翌年の収穫後に耕運すると、大きな変化が起きました。
あれほど硬かった土にトラクターの刃がすんなり入り、ふかふかに柔らかくなっていたのです!さらに不思議なことに、びっしり生えていた地下茎雑草もほとんど姿を消しました。
別のタマネギ畑でも、定植時に研修生が泣きそうになるほど硬かった土が、翌年には一気に柔らかく変化しました。
自然に沿った栽培を続けていれば、あるとき一気に土が目覚めます。そして厄介な雑草が役目を終え、消えていく瞬間が訪れます。
雑草は土を良くしてくれる存在:草が教えてくれる土のサイン
自然界において、無駄な雑草は一本もありません。雑草は土を本来の健康な状態に戻すために生えてくる、畑の味方といえます。
生えている雑草を観察すれば、土壌の水分や肥沃度を読み取ることが可能です。
1. 土の水分量を教えてくれる雑草
水分が多い土(過湿気味)に生える草
- 主な雑草:イヌタデ、タネツケバナ、スカシタゴボウ など
- 土の状態:水はけが悪く、土の中の空気と水の循環が滞りがちな状態を示します。
- 対策:野菜が問題なく育っていればそのままで構いません。生育が悪い場合は「高畝にする」か、畑の周囲に「深さ30cmほどの溝(明渠)を掘って水を逃がす」ことで劇的に改善します。
乾燥している土に生える草
- 主な雑草:イヌビエ、スベリヒユ、ハコベ など
- 土の状態:保水力が低く、乾きやすい状態を表しています。
- 対策:刈り草などを敷く「敷き草(草マルチ)」を行い、土壌の保湿性を高めてみてください。
2. 土の肥沃度(レベル1〜4)を教えてくれる雑草
雑草の種類によって、土地の成熟度や肥沃度をある程度予測できます。
| レベル | 生えてくる主な雑草 | 土の状態と特徴 |
|---|---|---|
| レベル1 | セイタカアワダチソウ、ススキ | 痩せ地や開墾初期の硬い土。背丈を伸ばして有機物を蓄えようとしている段階。 |
| レベル2 | スギナ、シロツメクサ(クローバー) | やや酸性、または土が締まっている状態。根粒菌や深い根で土を耕している。 |
| レベル3 | カラスノエンドウ、スベリヒユ | 土壌の団粒化が進み、だいぶ肥沃になってきた状態。 |
| レベル4 | オオイヌノフグリ、ハコベ、ホトケノザ | 土が十分に肥沃で健康な状態。ほとんどの野菜が無肥料でも立派に育つ。 |
今橋さんの圃場でも、就農当初に生い茂っていたセイタカアワダチソウは姿を消しました。現在では、冬から春にかけてオオイヌノフグリが一面を覆っています。
土壌診断でも微生物の活性度や健康状態が極めて高いスコアを示しており、無肥料でズッキーニなどがしっかり収穫できています。
まとめ:草と戦うのではなく、草から学んで土を育てる
雑草対策を「敵との戦い」と捉えると、草取りは果てしない重労働になります。
- 作物の初期だけしっかり助け、生える前の「先手必勝」で省力化する
- 生えてくる雑草を観察し、水はけや肥沃度のサインを受け取る
- 土が健康に育てば、厄介な草は減り、作業はどんどん楽になる
雑草が教えてくれるメッセージを受け取り、土を育てていくことこそ自然栽培の近道です。焦らず畑の観察を続け、自然の力を生かした野菜づくりを進めてみてください。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。











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