自然農法や自然栽培では、一つひとつの管理作業に明確な理由が存在します。春から初夏にかけて欠かせない作業のひとつが、ジャガイモの「土寄せ(培土)」です。今回は、自然栽培歴20年の今橋さんの実践をもとに、土寄せの目的や手順を整理しました。適切なタイミングや回数、自然栽培における生育の見極め方について解説します。
なぜジャガイモには「土寄せ」が欠かせないのか
ジャガイモ栽培において、土寄せは収量や品質を大きく左右する作業です。その理由は、ジャガイモ特有の育ち方にあります。
1. 新しいイモは種芋より「上」にできる
サツマイモなどは、種芋の下へ根を伸ばして太っていきます。対してジャガイモは、種芋から伸びた茎(地下茎)の節から横にストロンを伸ばします。その先端が肥大して新しいイモになる仕組みです。つまり、植えた種芋よりも上の位置に次々とイモができていきます。
2. イモの緑化(有毒成分)を防ぐ
土寄せを怠ると、浅い場所にできたイモが地表へ顔を出してしまいます。日光が直接当たったイモは、皮が緑色に変色しかねません。緑化した部分には、ソラニンやチャコニンといった天然毒素が生成されます。これらはえぐ味の原因になるだけでなく、食中毒を引き起こす恐れもあります。そのため、しっかりと土をかぶせて光を遮ることが欠かせません。
3. イモが育つスペースを広げて収量を増やす
茎のまわりに土を高く盛れば、地下茎が伸びるスペースが広がります。結果として着生するイモの数が増え、収量の増加につながるのです。
自然栽培ならではの観察眼:健康な葉は「黄緑色」
土寄せに入る前に観察しておきたいのが、葉の色です。
自然栽培の畑で育つ健康なジャガイモの葉は、きれいな黄緑色(淡い緑)をしています。葉の色が濃い深緑色になっている場合は、土中の窒素分が多すぎるサインです。窒素が過剰に効くと、葉ばかりが生い茂る「つるボケ」を起こします。さらに、病気や害虫を引き寄せる原因にもなりかねません。
肥料を与えない自然栽培では、澄んだ淡い緑色の葉が展開していきます。作物が持つ本来のリズムと、土の力が調和している証拠です。この葉の色を確認することが、順調な生育を見極める重要な基準になります。
土寄せの実践ステップ:適切な時期と回数
土寄せは、ジャガイモの成長に合わせて合計2回行うのが基本です。
■ 1回目の土寄せ(草丈約20cm)
- タイミング: 芽が伸びて草丈が20cm程度になった頃に行います。15cm程度ではまだ早いため、成長を待つ必要があります。
- やり方: 畝の肩口にある土を使い、株元へとかぶせていきます。
- ポイント: 下の方にある葉が土に埋まっても問題ありません。思い切ってしっかり土を寄せてください!
■ 2回目の土寄せ(草丈約30cm)
- タイミング: 株がさらに育ち、草丈が30cm前後に達した時期です。
- やり方: 1回目よりも多くの土が必要になります。畝間の通路(溝)の土をしっかり盛り上げ、株元へ寄せていきます。
- ポイント: 通路の土が硬い場合は、あらかじめクワなどでほぐしておきます。そうすることで作業が格段にスムーズになります。
芽かき(間引き)は必要か?
一般的な栽培手引きでは、芽を「1株あたり2〜3本」に間引くことが推奨されます。栄養を集中させて、大きなイモを収穫するためです。芽かきを行う際は、残す茎の根元を手でしっかり押さえます。その上で、不要な芽を横へ引き抜くように処置します。
一方で、栽培環境や方針によっては無理に間引かなくても問題ありません。海外の現場などでは、間引きをせずに育てる事例も多く見られます。まずは目指すイモの大きさや畑の土壌に合わせて、間引きの有無を試してみてください。
収穫時期の見極め方
適切な土寄せを経て育ったジャガイモは、初夏になると収穫の時期を迎えます。
収穫の目安は、地上部の葉や茎が黄色く枯れ始めたタイミングです。地上部が枯れる過程で、葉に蓄えられたデンプンがイモへと完全に送られます。晴天が続いた日を見計らい、土がよく乾いているときに掘り上げてください。
おわりに
ジャガイモは種芋の上に新しいイモができるため、土寄せが欠かせません。また、作物の本来の姿を知っていれば、葉の色を見るだけで健康状態を把握できます。
自然農法では、作業手順だけでなく作物の生態を理解することが重要です。自家採種を重ね、その土地に適した強いジャガイモを育てるためにも、土寄せを丁寧に行ってみてください。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。












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