自然農法がイギリスで広まるまで――渡英から10年目の挫折と考え方の転換

自然農法がイギリスで広まるまで――渡英から10年目の挫折と考え方の転換 自然栽培の心と学び
自然栽培の心と学び

自然農法がイギリスで広まるまで――渡英から10年目の挫折と考え方の転換
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赤土粘土質の土地からの出発と予期せぬトラブル

今橋さんは日本で専業農家として実績を積んだのち、2005年6月にイギリスへ渡りました。最初はロンドンの小さな市民農園から始まり、半年後にエセックス州ハーローにある約5反の圃場へ拠点を移します。

その土地は作物が育ちにくいとされる赤土の粘土質でした。現地の農園従業員も農業を諦めていた場所でしたが、無農薬・無肥料で栽培を開始したところ、半年後には野菜が次々と実を結びます。その成果を目の当たりにした従業員たちは大変驚き、今橋さんに深く感謝したといいます。

収穫した野菜はオーナーや近隣の病院、ホスピス、レストランへ届けられました。さらに地域の小学生約500人を受け入れ、自然農法を伝える食農教育も実施されます。

順調に見えた活動でしたが、畑で使用していた池をめぐり近隣住民との裁判問題が発生しました。敗訴が続く厳しい状況の中、最終判決の直前に相手側の体調不良で裁判が1週間延期されます。するとその間に、畑と池から絶滅危惧種であるイモリ(ニュート)が大量に発生しました。

希少生物を保護するため池の埋め立ては免れ、裁判は大逆転となります。しかし同時に、保護対象を傷つける恐れからその土地での営農継続は不可能となりました。

野菜を作って出荷するだけでは広がらなかった10年間

土地を探していた今橋さんは、英国土壌協会(ソイル・アソシエーション)の紹介を受け、2010年にウィルシャー州の圃場へ移転しました。

野菜作り自体は順調に成果を上げていたものの、普及の面では大きな壁に突き当たります。イギリスへ渡って10年が経過した2014年から2015年頃、自分たち以外に自然農法を実践している人が一人もいない現実に直面したのです。

大きなショックを受けて一時寝込んだ今橋さんは、これまでの普及手法に問題があったと気づきます。

それまでは「良い野菜をたくさん作って出荷すれば、食べた人が素晴らしさに気づいて始めてくれる」と考えていました。しかし、出荷を続けるだけでは栽培の輪は広がりません。

そこで「圃場へ積極的に人を招き入れ、直接その素晴らしさを伝える」という方針へ大きく舵を切る決意を固めました。

3つの専門誌への掲載とラーニングプログラムの誕生

方針転換を決めた直後の2016年1月、大きな転機が訪れます。

英国土壌協会の専門誌、サティシュ・クマール氏が関わる『リサージェンス』誌、そしてビーガン・オーガニック・ネットワークが発行する『グロワーズ・グリーン』誌の3媒体に、今橋さんの取り組みが同時に掲載されました。

記事を目にしたビーガン・オーガニック・ネットワークの代表らは、無肥料・無農薬での栽培が信じられず、事実を確かめるために視察へ訪れます。

固い土の中で立派に育つジャガイモや、堆肥を使わず畑の土だけで行う育苗ポットの技術、肥料なしでの連作の様子を見て、専門家たちは目を見張りました。

現場を確認した代表から「自然農法の普及はビーガン農法の普及にもつながる」と強い後押しを受け、同団体のサポートのもとで「自然農法ラーニングプログラム」が始動します。

この実践的な学びの場ができたことで、イギリス国内で自然農法を学び、実際に営農を始める人たちが増え始めました。

メディアへの波及と記録的熱波での実証

プログラムの開始以降、メディアからも注目が集まります。

2018年に地元BBCラジオで紹介されたのを機に、翌2019年には全国放送であるBBCラジオ4に出演しました。20分間にわたる放送の直後から圃場には電話や問い合わせが殺到し、年間で最大300人もの見学者が訪れるようになります。

さらに2022年、イギリス全土を記録的な大干ばつと熱波が襲いました。

2ヶ月間雨が降らず、連日35度を超える猛暑が続き、各地の農家が甚大な打撃を受けます。そうした極限状態の中にあっても、今橋さんの自然農法の畑では作物が青々と育ち続けました!

その姿が有力紙『ザ・サンデー・タイムズ』に取り上げられ、持続可能な農業の具体的なモデルとして国内外へ広く報道されます。さらに世界最大級の農業会議「オックスフォード・リアル・ファーミング・カンファレンス」にも3年連続で登壇し、専門家や農家へ直接知見を届けていきました。

国境や環境を超えて広がる自然農法の適応力

2016年に教育プログラムを本格化させて以降、今橋さんのもとから自然農法を始めた人は推定150人以上にのぼります。

活動の輪はイギリスにとどまりません。アイルランド、ギリシャ、スペイン、イタリア、ドイツといった欧州各国へ広がっています。ギリシャではオリーブ、スペインでは米やブドウが自然農法によって栽培されるようになりました。

今橋さんはヨーロッパ各地のアドバイザーを務めるほか、香港やアメリカなど世界各地の圃場へも足を運んでいます。砂漠地帯のような乾燥地である米国コロラド州でも、自然農法による野菜作りが成功しました。

厳しい干ばつや異常気象に見舞われた際、土と作物が本来持つ力を引き出す自然農法の適応能力の高さが証明されています。実践者の方はぜひ誇りを持って取り組んでみてください。

出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより

自然農法がイギリスで広まるまで――渡英から10年目の挫折と考え方の転換

※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。

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