自然栽培を実践する現場では、土を耕すべきか、それとも不耕起で進めるべきかという議論が絶えません。また、土づくりの基本とされる堆肥の使い方についても、一般的な農業の常識とは異なる視点が存在します。
自然栽培を20年実践してきた今橋さんの解説をもとに、堆肥の本来の役割と、耕起に対する柔軟な考え方を整理してお伝えします。
堆肥が果たす3つの役割と誤解されがちな効果
堆肥の目的について、今橋さんは土の栄養補給ではないと言い切ります。一般的には土に栄養を与える資材と見なされがちですが、本来の役割は異なります。
今橋さんが挙げる堆肥の主な役割は以下の3点です。
- 土を温めること
- 土を乾かさないこと(適度な水分の保持)
- 土を固めないこと(硬化を防ぐ)
堆肥は、土の物理的な状態を整えるために使用します。土が硬い場所をやわらかくしたり、乾燥しやすい場所の保水力を高めたりする目的で施します。
むやみやたらに堆肥を投入すると、かえって土が弱ってしまうと今橋さんは指摘します。土が十分に温かく、適度な湿り気を保ち、やわらかい状態にあるなら堆肥を使う必要はありません。土の状態を見極めたうえでの判断が求められます。
土は耕すべきか耕さないべきか|効率を度外視した場合の判断
作業効率や面積の広さを考慮しない場合、耕すのと耕さないのではどちらが適しているのでしょうか。視聴者からのこの問いに対し、今橋さんは「両方やる。どっちも正解」と答えます。
土地の性質や栽培者のライフスタイルに合わせて選択すればよく、画一的な正解はないという見解です。
土壌の質による違い
イギリスの農地は粘土質の土壌が多く、不耕起での栽培は難易度が高いと今橋さんは言います。一方、日本の土壌は火山灰の影響を受けており、元からふかふかしている傾向があります。同じ栽培法でも、地域の土壌条件によって結果が大きく異なります。
野菜の生育と土の状態
自然農の実践者の中には「耕さないから野菜が大きくならない」と話す人もいるそうです。耕起によって育ちが良くなる野菜も数多く存在します。
不耕起を選ぶ主な理由は「耕すと土が傷んで弱る」という点にあります。しかし、今橋さん自身が20年間耕起を続けてきた経験では、土が弱るどころか年々状態が良くなっていると語ります。
すでに土がふかふかで良く育つ環境であれば耕す必要はありません。一方で、感覚的に耕した方が良いと判断した場合は耕起します。マニュアルにとらわれず、目の前の土の状態を見て決める姿勢が重要です。
歴史と土の神秘から考える「耕起」の意義
昔の人々の農業や土の性質を振り返ると、耕す行為そのものを全否定する必要はないことが見えてきます。
昔の人々の自然観と農耕の歴史
日本では奈良時代の墾田永年私財法など、大昔から耕作が奨励されてきました。現代のように電子機器がない時代の人々は、自然と向き合う時間が長く、自然に対する感性が鋭かったと今橋さんは考えます。そうした先人たちが耕していた歴史を踏まえると、耕すこと自体が根本的な誤りとは言えないという見解です。
土を粉々にした水田での経験
今橋さんが就農初期に米作りをした際、トラクターで水田を耕しすぎて土を粉々にしてしまった出来事がありました。周囲のプロ農家からも作業のやりすぎを心配されたそうです。
ところがその年、玄米の収量は反収12俵という、自然農法では考えられないほどの多収を記録しました。ただし、これは過剰な耕起による極端な事例であり、土を傷める行為であるため真似はしないでほしいと今橋さんは念を押しています。
科学でも暴けない土の世界
現代のトップレベルの科学者であっても、土の中にいる微生物の活動は99%分かっていないとされています。科学の力をもってしても、土の神秘的な働きを完全に解明することはできません。だからこそ、耕すか耕さないかという二元論にこだわりすぎる必要はないと今橋さんは語ります。
耕起の有無よりもはるかに重要な土壌管理の優先順位
耕すか耕さないかという選択よりも、優先して避けるべき行為が存在します。
土を最も弱らせる直接的な原因は、農薬や肥料の使用です。化学肥料はもちろん、鶏糞や牛糞、豚糞などの動物性堆肥を投入すると、土は確実に弱っていくと今橋さんは警鐘を鳴らします。
耕すか耕さないかの議論に入る前に、まずは農薬や肥料の投入を止めることこそが最優先事項です!土壌への余計な負荷を取り除くことこそが、自然栽培を成立させる根幹となります。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。











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