自然農法に取り組むなかで、「無肥料・無農薬で本当に育つのか」という疑問はつきものです。「どうすれば周囲に理解してもらえるのか」と悩む場面も少なくありません。土台にある哲学や向き合う姿勢を深めることは、自然農法を長く続け、広げていく力につながります。
この記事では、イギリスで長年自然栽培を実践する今橋さんの体験談を整理しました。作物を育てる本質的な力と、自然農法を普及させるための視点を見ていきます。
1. 「太陽と水と土、そしてLove」子どもたちの回答が突く本質
イギリスへ渡った今橋さんは、シルビアさんという女性との出会いを機に約5反の農地を借りました。地域の小学生たち(3歳から11歳まで、延べ数百人)に向け、自然農法を伝える学校教育に取り組みます。
ある日、10歳ほどの子どもたちへ「野菜を育てるのに何が必要だと思う?」と問いかけました。その返答は、今橋さんの心を強く揺さぶるものだったといいます。
「太陽と、水と、土と、Love(愛)」
返ってきた言葉の中に、「肥料」や「農薬」は一切含まれていませんでした。大人はつい「どんな資材を投入すべきか」「どう管理するか」といった技術に意識が向きがちです。しかし、自然の仕組みを素直に体験した子どもたちは、本質を直感的に理解していました。植物が育つために必要な要素は自然の恵みそのものであり、育てる人の愛情や感謝の心だと捉えていたのです。
余計なものを足さず、自然の力と作物の生命力を信じること。子どもたちの回答には、自然農法の原点が凝縮されています。
2. 生態系の回復が証明する「自然農法は地球環境を良くする」
自然農法の継続は、単に安全な作物を収穫するだけにとどまりません。その土地の環境そのものを再生させる力を持っています。
今橋さんが農地で栽培を続けていたところ、畑や池に「ニュート(イモリの一種)」が大発生しました。もともと生息していなかった、超希少な天然記念物であり絶滅危惧種です。保護対象生物があまりに増えたため、法律上の理由から耕作の継続が困難になりました。最終的には圃場を移転せざるを得なくなったほどです。
農地を離れる結果にはなりました。しかしこれは、「一切の肥料や農薬を持ち込まない純粋な土の栽培が、失われていた豊かな生態系を劇的に蘇らせた」という動かぬ証拠といえます。
日々の農作業が地球環境を確実に好転させている事実を、客観的に証明した出来事です。
3. 10年目の挫折と「モデル圃場」への転換
現在でこそイギリス国内で70人以上の実践者が生まれ、スペインやギリシャ、アイルランド、イタリアへと広がりを見せています。しかし、ここに至る道程は平坦ではありませんでした。
イギリスに渡って10年が経った2014年、自然農法を志して定着した人は「0人」でした。普及を目指して海を渡ったにもかかわらず、誰も続いていない現実に直面します。今橋さんは大きなショックを受け、寝込んでしまうほどの挫折を味わいました。
そこで気づいたのが、普及に向けたアプローチの転換です。
それまでは「野菜をたくさん作って、たくさん売る」という生産出荷に力を注いでいました。しかし2016年からは方針を変えます。「自然農法の理念が実践され、訪れた人が『自分もやりたい!』と感化されるモデル圃場づくり」へ注力したのです。
- 作物が力強く育っている姿を実際に見せる
- 自然農法の考え方や仕組みを丁寧に説明する時間を確保する
- オンラインを含む学びのプログラム(自然農法ラーニングプログラム)を整える
圃場を開いて教育と発信に軸足を移したことで、まずアイルランドやイギリス現地で実践者が誕生しました。さらに2019年には英BBCラジオ(全国放送)で大きく取り上げられます。ファームツアーに多くの人が詰めかけるなど、普及の流れは一気に加速していきました。
4. 普及に携わるうえで心に留めておきたいこと
今橋さんの20年にわたる歩みから整理できるポイントは、大きく2つあります。
- 結果で示すこと、そして自然の力を信じ抜くこと:日本での専業農家時代、周囲の慣行農家からの見方が変わった契機も収穫量でした。「自然農法1年目で同等、2年目でそれ以上を上げた」という実績です。技術や理屈を語る前に、自然の力に感謝し、土本来の力を引き出して作物を実らせることが信頼の土台となります。
- 「生産」だけでなく「伝える場」を整えること:自然農法を広めるためには、作って出荷するだけでは足りません。人が見て感動し、理念を学べる環境(モデルとなる場)を整えることが欠かせません。美しい圃場と確固たる哲学が揃って初めて、人の心は動かされます。
子どもたちが語った「太陽、水、土、そして愛」。
この純粋な原点を念頭に置きながら、日々の土づくりや野菜づくりに向き合い、その価値を周囲に伝えていく姿勢が大切になります。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。










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