自然農法の理念に触れると、共感を覚える人は多いはずです。
しかし「現実にどう育て、継続していくか」という実践の壁にも直面します。
今回は、自然栽培歴20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより内容を整理しました。
大人気農チューバーであるカービーさんへの対談動画です。
自然農法を長く続けるための本質や、現場でのリアルな気づきをお伝えします。
日々の畑づくりや作物への向き合い方に直結するヒントが満載の内容です。
1. 自然農法を始めた原点:「真の自給」と地球環境への想い
カービーさんが自然農法に関心を持った原点には、2つの視点がありました。
「食料は国防の根幹」という危機感
日本は食料だけでなく、肥料や農薬、エネルギーの多くを輸入に頼っています。
有事などで輸入が止まれば、慣行農法では生産が難しくなりかねません。
「資材すら入らなくなっても、持続的に食料を生産できる術が必要だ」。
そうした危機感が、肥料も農薬も持ち込まない自然農法を研究する契機となりました。
9歳の時に感じた環境問題
もうひとつの根本は、小学校3年生のときに見たポスターです。
1992年の地球サミットの頃で、環境問題への危機感を抱いたといいます。
大人になるにつれ、人が豊かに暮らしながら環境を守る道を模索しました。
草や虫など多様な生き物と共生し、食料を生産する自然農法へと行き着きます。
過去にはNPO法人を立ち上げ、農福連携にも尽力されてきました。
自然農法と就労継続支援B型事業所を組み合わせた取り組みです。
土に触れる癒やしと社会貢献を結びつける活動にも力を注いでいます。
2. 理想と現実:なぜ「誰でも続けられる農業ではない」のか?
「自然農法はお金がかからないから、誰でもできる」と思われがちです。
しかしカービーさんは「誰でも始められるが、誰でも続けられる農業ではない」と語ります。
その理由は大きく分けて2つあります。
- マニュアル化が難しく、高い観察力が求められる:慣行農法は資材や栽培体系が確立し、マニュアル化されています。:同じ手順を踏めば、ある程度均一な結果が得られます。:一方の自然農法は、気候や土壌、生き物の状態に合わせる必要があります。:そのため、日々の深い観察力が欠かせません。
- 生計を立てるハードル(収量と心の維持):販売を前提とした場合、慣行農法に比べて収量が落ちる時期があります。:生計を立てる段階で心が折れやすいという、厳しい現実も存在します。
最大の敵は「気候変動」と「夏の過酷な草管理」
福岡正信氏の「いかに昼寝をする時間を増やすか」という言葉があります。
カービーさんもその言葉に憧れて自然農法に入りました。
しかし現実は、体力的にも非常に過酷だといいます。
特に近年の猛暑や気候変動により、従来のノウハウが通用しない場面も増えました。
真夏の35度を超える猛暑で行う草管理は、手作業だけでは体が持ちません。
現在は適度に機械も導入し、無理なく継続できる形を模索されています。
それでも「畑にずっといたい」「好きなことを仕事にできている」と語るカービーさん。
自然と向き合うこと自体を楽しめる人にとって、まさに天職といえる世界です。
3. 実践から見えた「野菜の向き・不向き」と「栽培コスパ」
自然農法でどんな野菜を育てるべきかという問いがあります。
カービーさんは「基本的にどんな野菜でもできる」と答えます。
その上で提示するのが「栽培のコストパフォーマンス」という視点です。
手間の割に得られる収穫という、現実的な観点になります。
- 向いている野菜(手間がかからず育ちやすい): 宿根性の野菜(ニラなど): 一度根付けば、雑草のように毎年たくましく育ちます。: 根菜類(ダイコン、ニンジン): 極端な秀品を目指さなければ、自然の力で比較的素直に育つ野菜です。
- コスパの観点からやりにくい野菜:タマネギ: 自然農法において、タマネギは非常にハードルが高い作物です。: 特にビニールマルチを使わない無マルチ栽培では難しさが際立ちます。: 育苗が難しく、冬から初夏までと栽培期間も長期にわたります。: 春以降は草に埋もれやすく、除草の手間も膨大になりがちです。:* その割に市場価格が安く、労力に対するリターンが見合いにくい代表格といえます。
4. 耕す?耕さない?「菌根菌」を意識した使い分けの仮説
自然農法では「不耕起(耕さない)」が原則とされる傾向にあります。
しかしカービーさんは、品目に応じた耕起・不耕起の使い分けを検証中です。
果菜類(ナス・ピーマンなど)は「不耕起」が良い
果菜類を植える前に畑を耕したところ、失敗を経験されたそうです。
土が乾燥しやすくなり、樹は育っても花や実のつきが悪くなりました。
この原因として、カービーさんは「菌根菌のネットワーク」に着目しています。
土中のリン酸などの養分は、植物単体では吸収しにくい性質を持ちます。
土壌中の菌根菌などが仲介することで、効率よく吸収される仕組みです。
実をつけるためにリン酸を多く必要とするのが果菜類です。
土を耕したことで菌のネットワークが寸断され、吸収障害が起きたのではないかと考えます。
そのため果菜類には、前年からの土壌生態系を引き継げる不耕起が適しています。
葉物・根菜類(特にアブラナ科)は「耕起」が有効な場合も
一方で、アブラナ科などの葉物や根菜を栽培する際は、あえて耕すアプローチをとります。
土を耕すことで、土中に潜む害虫の卵や幼虫をリセットできるためです。
これにより、初期の虫食い被害を大幅に減らす効果が期待できます。
「耕す・耕さない」を一律に決める必要はありません。
実をつけるのか、葉や根を食べるのかで作物の特性は異なります。
共生する土壌微生物や虫との関係性に合わせて、柔軟に選択することが大切です。
まとめ:足元を観察し、柔軟に自然と調和していく
カービーさんのお話から学べる大切な姿勢があります。
それは「自然農法という型に縛られず、現実を見て試行錯誤を重ねる」ことです。
- 資材に頼らず命を育む「自給」の知恵を磨くこと
- 理想だけでなく、体力や栽培コスパといった持続可能性を考慮すること
- 菌根菌や土中環境を想像し、作目に応じて耕起・不耕起を使い分けること
実践経験が浅いうちは、どうしてもマニュアルを求めてしまいがちです。
しかし自然農法の真髄は、目の前の畑で起きている現象の観察にあります。
自然の声を聞きながら、そっと手を添えていくプロセスそのものです。
失敗も含めて畑での実験を楽しみながら、一歩ずつ理解を深めてみてください!
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。











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