自然栽培において、作物を健全に育てるために何が最も大切なのでしょうか。自然栽培を20年実践されている今橋さんは、植物の根、特に先端にある毛細根の伸びを良くすることが最も重要だと語ります。
今回は、今橋さんが動画で解説された「根の伸びを良くするための7つのポイント」について内容を整理してご紹介します。
植物栽培で最も重要な「毛細根の伸び」
植物の根には、ニンジンやトマトのように中心となる太い根が伸びる直根タイプと、トウモロコシのように広がるヒゲ根タイプがあります。直根タイプは主根から側根が伸び、さらにその先から細かい毛細根が伸びて広がっていきます。
植物はこの根を土の中に伸ばすことで、生育に必要な養分や水分を吸収します。地上部を健康に育てる土台として、先端の毛細根がどれだけストレスなく伸びられるかが重要になります。
ポイント1:肥料を使わない
今橋さんは、根を深く伸ばすための第一の条件として「肥料を使わないこと」を挙げます。
通常、作物が光合成を行うと、根の周りにエネルギーを放出します。土の中の微生物はそのエネルギーを受け取り、作物の生育に必要な栄養分を届けます。作物は根を通じて微生物から栄養を吸収し、共生関係を築きながら育つ仕組みです。
しかし、土に肥料を与え続けると作物の性質が変化します。土や微生物から栄養を取るのではなく、手近にある肥料から栄養を摂取するようになります。
肥料分は基本的に土の浅い層にとどまるため、肥料に依存した作物の根は土の表面付近にしか広がりません。一方で肥料を与えない環境では、作物は栄養を求めて自らの根を下へ下へと深く伸ばしていきます。
ポイント2:畝(うね)を立てる
2つ目のポイントは、畑に畝をしっかりと作ることです。
平らな畑の土は、空気の出入りが基本的に上部からしか行われません。そのため、土の中の通気性が制限されやすくなります。
畝を立てると、土の上面だけでなく側面からも空気が入るようになります。土壌の中を空気と水がスムーズに循環するため、根が深い層まで伸びやすくなります。
ポイント3:土が固い場合は堆肥を活用する
土壌がすでに柔らかい場合は堆肥を入れる必要はありません。しかし、土が硬く締まっている場合は根の伸びが妨げられるため、場合に応じて堆肥の投入が推奨されます。
ただし、堆肥の使用は最小限にとどめるのが原則です。自然栽培を続けていけば、土壌は年数を経て自然と柔らかくなっていきます。最終的には堆肥を使わない状態へ移行していくことが望ましいと今橋さんは説明します。
ポイント4:余裕があれば床堆肥を試す
土を温めて根の伸びを助ける手法として「床堆肥(とこたいひ)」があります。
草堆肥は柔らかいため土の浅い層に混ぜるのに向いていますが、繊維の硬い落ち葉は床堆肥作りに適しています。作業手順は次の通りです。
- 土を深さ30センチほど掘る
- 掘った穴の中に落ち葉を敷き詰める
- 掘り上げた土を落ち葉の上に被せて畝のように成形する
床堆肥を仕込むと土の保温性が高まり、根の伸びが大幅に促進されます。ただし、落ち葉を集めて穴を掘る作業には多大な労力を要します。労力に余裕がある場合のみ挑戦し、無理に行う必要はないとのことです。
ポイント5:自然栽培で根を深く張らせる
自然栽培を実践すること自体が、根の伸長を最大限に引き出すことにつながります。自然栽培の環境では根が障害なく自由に伸びるため、土の奥深くへ毛細根がびっしりと広がります。
この根の張り方は、災害への耐性に大きく影響します。慣行栽培の稲が台風で倒伏してしまった際も、しっかりと根を張った自然栽培の稲は倒れずに耐え抜きます。
今橋さんの畑でも、2018年の強風でトウモロコシが倒れかけたことがありました。しかし、強い根の力によってわずか1〜2日で自力で立ち上がった実績があります!根がしっかりと土台を作っていれば、作物は強風にも負けない強さを発揮します。
ポイント6:赤土よりも黒土を選ぶ
土壌の種類も根の張りに影響を与えます。粘土質で硬くなりやすい赤土に比べ、黒土は固まりにくい性質を持ちます。
これから新しく自然栽培を始める場所を探す場合は、赤土の土地よりも黒土の土地を選ぶと作物の根が伸びやすくなります。
ポイント7:畑の外周に溝を掘る土壌改善
最後のポイントは、土中の空気と水の流れを改善する土木的なアプローチです。これは「大地の再生」を提唱する矢野智則さんの手法をベースにしています。
畑の外周に深さ30〜50センチほどの溝を掘り、その溝の中に「点穴(てんあな)」と呼ばれる縦穴をさらに深く掘り進めます。特に水が停滞しやすい畑の角には、深めの穴を配置します。
外周の溝と点穴によって土壌が呼吸をはじめ、土の中の通気性と透水性が大きく向上します。集まった水が最も低い場所へと流れ、畑の外へ適切に排水される構造を作ることが大切です。
見えない「根」への配慮が健康な野菜を育てる
作物が病気にかかった際、土から掘り起こしてみると根自体も病気になっているケースが少なくありません。地上部に見えている葉や茎の不調は、見えない根の状態を反映しています。
根が土の奥深くまで健康に伸びていれば、地上部の野菜も健全に育ちます。土の中の根が伸びやすい環境を整える工夫を、畑の条件に合わせて試してみてください。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。

















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