自然農法や自然栽培に取り組む中で、多くの方が最初にぶつかる大きな壁が「雑草との付き合い方」ではないでしょうか。
「草取りに追われて作業が終わらない」「力任せに草を刈って腰や腕を痛めてしまう」という悩みは、実践者なら誰もが一度は通る道です。しかし、自然栽培を長年実践されているプロの畑では、雑草に追われるどころか、驚くほど軽やかに、最小限の力で草をコントロールしています。
今回は、自然栽培を20年続けられている今橋さんの実践から、長年愛用されている「最強農具」の使い方、労力を激減させる草管理の戦略、そして「土が育つと生える草が変わる」という自然農法の根本的な仕組みについて学びを深めていきましょう。
20年愛用!作業効率を劇的に変える「道具の選び方と身体の使い方」
今橋さんが約20年間使い続けている最も信頼する農具は、意外にもシンプルな「ステンレス製の平鍬(ひらぐわ)」です。
1. 最強の相棒「軽量なステンレス平鍬」
日本で一般的に見られる先が尖った鍬とは異なり、刃先が平らで角度があまりついていないタイプを愛用されています。
- 特徴: ステンレス製で非常に軽く、錆びにくい。
- メリット: 広い面積の表土を浅く削る作業が一瞬で終わる。
道具を使う上で最も大切なのは「力任せに振り下ろさない」ことです。初心者は地面に強く打ち込みがちですが、それでは道具を痛め、身体も疲弊してしまいます。
- 使い方: クワに対して身体をまっすぐ構え、クワ自体の自重(重み)を利用して地面に刃を入れます。力を入れるのは「手前に引くとき」だけ。脱力してリズミカルに引くことで、長時間作業しても疲れず、広い面積の草削りがあっという間に完了します。
2. 株元や細かい場所には「ノコギリ鎌」
ラベンダーなどの木立ちの周囲や、野菜の株元近くなど、鍬が入らない狭い場所ではノコギリ鎌が活躍します。
- 地表の草の生え際を刈るだけでなく、土が柔らかい場合は「土ごと薄く削る」ように使うと根元から処理できます。
- ※鎌を使う際は、怪我を防ぐために刃を持たない側の手に必ず手袋を着用しましょう。
3. 「どの道具を使うか」を見極める感性を磨く
同じ草取りでも、適さない道具を使うと作業時間は何倍にも膨らみます。
広いスペースを手鎌でちまちまと刈っていては手首を痛めますし、狭い株元に大きな鍬を入れると作物を傷つけます。「土の締まり具合」と「草の生え方」を見て、瞬時に最適な道具を選び取る感性を磨くことが、作業効率を2倍にも3倍にも高める秘訣です。
労力を劇的に減らす「先手必勝」の草管理戦略
雑草管理において、今橋さんが研修生にも繰り返し伝えている鉄則が「先手必勝」です。
1. 草が小さいうち、あるいは「生える前」に削る
草が伸びて根を深く張ってから取るのは重労働です。まだ草が芽生えたばかりの段階、あるいは目に見える草がほとんど生えていない段階で、鍬を使って表面をササッと撫でるように削っておきます。
- 作物の周りだけでなく、周囲の通路も一緒に削る::作物の株元だけをきれいにしても、周囲に草が残っているとすぐに侵入してきます。草が小さいうちに周囲も含めて広めに削っておくことで、次に草が生えてくるタイミングを大幅に遅らせることができます。
2. 草が伸び放題になってしまった場合の対処法
梅雨時など、どうしても手が回らず草丈が高くなってしまった場合は、無理に全体を根から抜こうとする必要はありません。
- 「株元30cm(左右15cm)」だけを集中して除草する::作物の生育に直接影響する根元周辺だけを手鎌などでしっかり除草し、そこへ刈った草を寄せて「草マルチ」を敷きます。
- 通路の草は後回しでOK::通路の草は後から草刈り機などで一気に刈り倒し、それを作物の足元に敷くマルチ資材として活用します。完璧を目指して疲弊するのではなく、メリハリをつけた管理をすることが継続のコツです。
土が育つと生える草が変わる:オオイヌノフグリが示す土壌のサイン
自然農法を続けていくと、畑の生態系に驚くべき変化が現れます。それが「生えてくる雑草の種類の変化」です。
1. 厄介な地下茎から、優しい「オオイヌノフグリ」へ
畑を始めた初期は、スギナやカヤツリグサなど、硬くしつこい地下茎を持つ雑草が繁茂しがちです。しかし、無農薬・無肥料で自家採種を続け、土が健康に育ってくると、畑一面を「オオイヌノフグリ」のような背の低い越年草・一年草が覆うようになります。
- オオイヌノフグリは根が浅く、手で簡単に抜けるため、除草の手間がほとんどかかりません。
- 作物が十分に大きくなっていれば、抜かずにグランドカバーとして共生させても作物の生育を邪魔しない(むしろよく育つ場合もある)という特徴があります。
2. 「野菜の育つ力」が「草が生える力」を上回る
今橋さんの圃場では、作物が自ら力強く育つ環境が整っているため、雑草が繁茂する余地そのものが少なくなっています。土が団粒化し、作物の生命力が引き出されると、雑草に畑を乗っ取られる心配は自然と減っていくのです。
草に悩まされている時期は「土がまだ遷移の途中にある」というサインでもあります。焦らずに土を育てていくことで、草取り作業そのものが年々楽になっていきます。
畑に花を植え、豊かな生態系をつくる
動画の最後では、畑にカレンデュラ(キンセンカ)やラベンダーなどの花を混植することの素晴らしさにも触れられています。
畑に花があることで、ミツバチをはじめとする多様な昆虫や益虫が集まり、害虫が特定の作物に集中して大発生するリスクを抑えてくれます。単に野菜を育てる場所としてだけでなく、自然界の多様な生命が循環する豊かな環境をつくることも、病虫害や草のトラブルを減らす根本的なアプローチとなります。
まとめ:日々の実践に向けて
今回の学びを整理すると、以下の3点が重要なポイントとなります。
- 道具の自重を活かす身体の使い方と、適材適所の道具選び
- 草が小さいうちに周囲ごと削る「先手必勝」の管理
- 土が育つにつれて草の種類が変わり、管理が楽になるという確信を持つ
自然農法において、雑草は単に排除すべき敵ではなく、土の状態を教えてくれるバロメーターであり、畑を覆う大切な資材でもあります。
道具を使う身体の感覚を磨き、先手を打ちながら、ゆったりとした気持ちで土と雑草の変化を見守っていきたいですね。日々の畑作業にぜひ取り入れてみてください。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。










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