自然農法を学んでいると、一つの疑問に突き当たります。
「家庭菜園なら可能でも、大規模経営では無理ではないか」という点です。
しかし現在、ヨーロッパでは大きな変化が起きています。
数百ヘクタールの穀物農家や数万本規模の果樹園が、自然栽培へ舵を切りました。
無農薬・無肥料の農法によって、現地では確かな成果が出ています。
今回は、イギリスを拠点に活動する今橋さんの報告を整理しました。
海外での実践事例とともに、土と種が持つ本質的な力を見ていきます。
1. 数万本規模の果樹園も!ヨーロッパで進む大規模な転換
今橋さんのもとには、欧州各地から学びを求める農家が集まります。
イギリス国内だけでなく、アイルランドやギリシャ、スペイン、ドイツなど多岐にわたる国々です。
家庭菜園規模にとどまらず、プロの大規模農家が次々と自然栽培へ転換しています。
アイルランド:7,000本のリンゴ園、2,000本のチェリー園
アイルランドのロッドさんは、もともと有機栽培を行っていました。
約7,000本のリンゴ園のうち、一部で自然栽培を試行。
その区画の土だけに豊かなクローバーが自生し始めました。
土が自発的に改善する様子を確認したロッドさん。
数千本規模の果樹園全体を、自然栽培へ移行させています。
別の農家であるダラさんは、2020年に転換を決断しました。
有機栽培を経ず、慣行農法から直接、自然栽培へと切り替える試みです。
対象は2,000本のサクランボと、約24ヘクタールのリンゴ園。
リンゴの木にして約2万本という広大な規模に及びます。
通常、農薬や化学肥料を使った土壌では転換期が生じます。
土が本来の状態に戻るまで、一時的に収量が落ちる傾向も珍しくありません。
しかしこの農園では、慣行農法の頃と収量が変わっていないといいます。
今橋さんは、現地で確認されたこの事実を報告しています。
イギリス:100ヘクタール規模の麦栽培へ
イギリスでも、今橋さんの研修を受けた生産者たちが動き出しました。
クローバーを活用した緑肥によって、圃場の下準備を整えます。
その上で、100ヘクタール(約100町歩)や40ヘクタールといった農地で自然栽培を開始。
広大な面積において、無農薬・無肥料による麦づくりが進められています。
2. 気候変動に負けない「土の力」と「草相の変化」
ヨーロッパでも近年、厳しい気候変動が続いています。
記録的な干ばつや、35度を超える熱波が各地の農地を襲いました。
しかし、そのような過酷な環境下でも自然栽培の作物は育ちます。
現地の圃場では、カボチャなどが順調に成長を遂げました。
肥料に頼らない作物は、自らの根を地中深くへと伸ばしていきます。
深い根が水分やミネラルを吸い上げ、自らを支える仕組みです。
微生物が豊かな土壌は、保水性にも優れています。
「生きた土」の強さが、過酷な気候への耐性となって現れました。
雑草が教えてくれる土の成熟
土が成熟してくると、生えてくる雑草の種類(草相)が変化します。
今橋さんの圃場でも、かつて生えていた手強い雑草が減少しました。
代わりに、土を優しく覆うオオイヌノフグリなどが一面に広がっています。
その結果、「草取りをほとんどしなくても立派に収穫できる」状態が生まれました。
自然農法では、雑草を敵として排除しません。
土壌環境が整えば生える草が変わり、管理の手間も減っていきます。
草の変化は、土が豊かになったサインだと今橋さんは説明しています。
3. 広がる教育とコミュニティの輪
自然栽培の波は、個別の農家だけに留まりません。
社会的な広がりを見せる主な動きは、以下の通りです。
- イギリス最大級の農業会議(ORFC)での発信:オックスフォード・リアル・ファーミング・カンファレンスに登壇。自然農法の発表が大きな反響を呼びました。
- 地域コミュニティや植物園との連携:ウェールズ国立植物園でプロジェクトを展開。5ヘクタールの土地を共有し、市民が学ぶコミュニティ農園も始動しています。
- 大学教育への浸透:大学の正規講義プログラムとして自然農法を導入。若い世代へも学びの輪が波及しています。
プロ農家による大規模な実践と、市民参加のコミュニティづくり。
この2つが両輪となり、現地での普及を力強く後押ししています。
4. 実践への学び:土と種を信じて続けること
自然栽培の導入期には、多くの人が疑問や不安を抱きます。
「肥料なしで育つのか」「病気に負けないか」といった懸念です。
こうした問いに対し、今橋さんは「土の力」と「自家採種した種」の力を強調します。
その土地で育った作物から種を採る作業が自家採種です。
採れた種を、翌年また同じ畑へと降ろしていきます。
これを重ねることで、種は土地の気候や土壌微生物と調和。
年を追うごとに力強く、環境に適応した作物へと育っていきます。
ヨーロッパの大規模農家も、特別な技術を用いているわけではありません。
「土を汚さず、本来の力を引き出す」という原則の徹底です。
栽培面積の大小に関わらず、向き合う本質は共通しています。
まずは一坪の畑やプランターから、土と種を信じて試してみてください。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。











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