自然農法を学んでいく過程では、栽培管理の壁に直面することがあります。代表的な夏野菜のトマトも、実割れ(裂果)を起こしやすい作物の一つです。強い日差しによって果実が白く傷み、日焼けに悩まされる場面も珍しくありません。
一方で「無農薬野菜を食べると体内に虫が入るのでは」という不安の声も存在します。今回は自然栽培歴20年の今橋さんの解説をもとに、栽培上の疑問と解決法を整理しました。トマトの障害を防ぐ根本策と、無農薬野菜の虫に関する疑問を順に見ていきます。
トマトの実割れや日焼けはどう防ぐ?
露地でトマトを育てていると、収穫直前に実が割れてしまうトラブルが起きます。強い直射日光や高温によって果実が日焼けし、腐敗につながるケースも少なくありません。
一時的な対処法としての「遮光」
日焼けを引き起こす主な要因は、急激な気温上昇と強烈な直射日光です。対症療法としては、寒冷紗や黒い遮光ネットを張る方法が有効とされています。直射日光を遮り温度を和らげれば、果実へのダメージは一定程度防げます。
ただし、雨による実割れや過酷な暑さに対し、毎年ネットを張る作業には手間がかかります。そこで今橋さんは、より根本的な解決策として「自家採種」を挙げています。
根本的な解決策は「自家採種」を続けること
自然栽培において、トマトの実割れを防ぐ最大の鍵は種を採り続けることです。
代を重ねると「原種」に近づき、皮が厚くなる
市販されているトマトの多くは、生食に適するよう皮が薄く柔らかく改良されています。しかし皮が薄い品種ほど、雨を吸って果実が急膨張した際に耐えきれません。その結果、実割れが起こりやすくなります。
自家採種を何年も重ねていくと、野菜は本来の生命力を取り戻していきます。世代を経るごとに「原種」の性質へと少しずつ近づいていくためです。その変化に伴い、果実の皮は自然と厚く硬い状態へと変わっていきます。
- 外敵や雨に強くなる:皮が厚くなれば雨に打たれても割れにくく、虫などの外敵からも身を守れます。
- 高温にも耐える強さ:今橋さんのハウス栽培では、換気忘れで室温が50度を超えた事例がありました。その過酷な環境でも、十数年自家採種を続けたトマトは日焼けせず無事だったと語られています。
皮がしっかりすると、食べた際に「口の中に皮が残る」と感じる場合もあるでしょう。今橋さんによれば、それこそが過酷な自然界を生き抜く野菜本来の強さの証拠です。
自家採種を始める際のポイント
自家採種を始める際は、必ず「固定種」や「在来種」の種を選びます。F1種(一代交配種)や遺伝子組み換え種は、翌世代に同じ形質が現れません。形質が不揃いになるため、これらは自家採種に向かない種です。
固定種の種が近隣で手に入らないケースもあるはずです。その際は、野口種苗など伝統野菜の種を扱う専門店から取り寄せてみてください。
自然農の野菜を食べると「体の中に虫が入る」って本当?
「無農薬の野菜を食べると、虫が体内に入って害を及ぼすのではないか」という疑問を耳にすることがあります。
昔の「お腹の虫」との混同
かつて日本で回虫や蟯虫(ぎょうちゅう)などの検査が行われていた時代がありました。当時の主な感染原因は、未発酵の人糞(下肥)を肥料として畑に直接撒いていたことです。
現代の自然農法や自然栽培において、人糞肥料を使うことはありません。衛生環境が不十分だった過去の寄生虫リスクを、そのまま自然栽培の野菜に当てはめるのは誤解といえます。
虫が寄ってくる本質的な原因は「肥料と農薬」
自然界の理として、過剰な肥料分(窒素過多など)を含む野菜にこそ虫が集まります。不自然な状態になった作物を、分解して土へ還そうと虫が寄ってくるためです。
- 肥料や農薬を使わない土
- その土地の環境に馴染んだ正常な種
今橋さんは、この2つの要素が揃っていれば虫の異常発生は起こりにくいと指摘します。野菜が食い尽くされるような事態も生じにくくなります。
水洗いで落ちるような小さな虫が付着することはあっても、体内に入って深刻な害を及ぼす事態は、自然栽培の現場では考えにくいのが実情です。
まとめ:対症療法から「種と土の力」を育てる栽培へ
トマトの障害に対しては、ネット張りなどの対症療法も一つの選択肢です。しかし自然農法が目指す本質は、野菜自身の適応力を引き出す点にあります。
- 固定種・在来種を選び、自家採種を繰り返す
- 肥料や農薬に頼らず、土と種を正常な状態へ整えていく
この過程を重ねることで、過酷な暑さや雨に負けないたくましい作物が育ちます。自然本来の適応力を生かす栽培を、ぜひ目指してみてください!
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。











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