自然農法を学んでいると、無肥料や無農薬といった技術や土壌管理に意識が向きがちです。しかし実践者の話からは、技術以上に「栽培者の心のあり方」が生長へ大きく影響すると分かります。
今回は、無肥料・無農薬の自然栽培を20年以上続ける今橋さんの体験談を整理しました。専業農家としての原点や作物の生命力、栽培者の思いと作物のつながりについてお伝えします。
1. ゼロからのスタート:商業専攻の青年が専業農家になるまで
今橋さんは農家出身ではなく、大学では商業を学んでいました。農業とは無縁でしたが、知人が近所で自然農法を始めたことを機に、広さ2畝の畑を借ります。印刷会社でアルバイトをしながら、栽培への挑戦が始まりました。
作業がない日も含め、雨の日も風の日も毎日欠かさず畑に通ったそうです。すると1年目からナスやサツマイモ、スイカなどが豊作となり、周囲の農家を驚かせました。
その後、環境活動家の講演会に参加したことで転機が訪れます。「地球環境を良くしたい、このままではいけない」という強い使命感を抱きました。こうして専業農家になる道を選びます。
山口県で家賃1万円の古民家と田畑を借り、就農を果たしました。当時の貯金はわずか7万円です。1日1食で体重が40kg台前半まで落ちる過酷な生活の中、全身全霊で自然農法に向き合いました。
2. 稲を枯らした「怒り」と、復活をもたらした「感謝」の心
専業農家としての1年目、今橋さんは根本的な意識の転換を迫られる強烈な体験をします。
経験の浅い若者が専業就農することに対し、周囲からは心配や反対の声が多く寄せられました。それに対して「なぜ応援してくれないのか」と強い怒りと反発心を覚えます。その思いを抱えたまま、1本ずつ手作業で田植えを行いました。
すると、植えたばかりの稲の苗が、3日後に一斉に枯れ始めてしまったのです。
近隣のプロ農家に見てもらっても「こんなひどい状態は見たことがない」とお手上げでした。そのとき、今橋さんは自分の心に原因があるのではないかと思い至ります。「怒りの心で植えたから枯れてしまったのではないか」と考えたのです。
> 「もし心が作物を枯らしたのなら、反対の心で向き合えば戻るかもしれない」
そう考え、枯れかけた稲に向かって毎日語りかけを始めました。
「稲さん、本当にすみませんでした。私の至らない心で枯らしてしまいました。どうか復活してください」
語りかけを続けて1週間が経った頃、茶色く枯れていた稲の中心から青い新芽が伸び始めます。こうして稲は奇跡的に息を吹き返し、無事に収穫まで漕ぎ着けました。
清らかな心で挑んだ翌年:反収12俵という驚異的な収穫量
この体験を経て、翌年は雑念や怒りを手放します。「清らかな心」と「感謝の心」を込めて田植えに臨みました。
その結果、玄米で反収12俵(約720kg)という驚異的な収穫量を記録します。一般的な自然農法の平均収量と比べると約3倍に達する数字です。これは慣行栽培の平均をも大きく上回る量でした。
作物は人の心を敏感に感じ取っています。感謝の心で作物に向き合うことが力を最大限に引き出すのだと、今橋さんは確信したといいます。
3. 作物と人は見えないところで繋がっている
栽培者と作物の間には、目に見えない通い合いがあります。今橋さんは、そのつながりを実感した出来事として次のエピソードを語っています。
思いを寄せるだけで雑草の勢いが抑えられた体験
ある夏、畑作業があまりに忙しく、水田の草取りに行けない時期がありました。「草がどんどん伸びてしまう、持ちこたえてほしい」と、畑にいながら水田を強く案じていたそうです。すると夏の盛りであるにもかかわらず、水田の雑草は1週間経ってもほとんど生長していませんでした。
7,000株のレタスからのSOS
イギリスの農場で、7,000株のレタスを栽培していた時のことです。作業を終えて車で10分ほどのスーパーへ買い物に行くと、突然頭の中にレタスの姿が映像として浮かびました。急いで農場へ戻ると、強い日差しと水不足で7,000株のレタスが倒れかけています。すぐに散水を行ったことで全滅を免れました。作物が栽培者へSOSを発信し、それが伝わった瞬間でした。
4. 本物の作物が持つ「人を元気にする力」
自然農法で育った作物は、単に無農薬で安全というだけではありません。作物そのものが持つ生命力が極めて高くなります。
- 食事が喉を通らなかった高齢の方が完食できた:体調を崩し、流動食しか受け付けない高齢女性のエピソードです。通常のご飯は吐き出してしまっていましたが、今橋さんの自然栽培米は喉を通り、勢いよく完食したといいます。
- 炊飯器を開けた瞬間に「光っていた」お米:お米の味に厳しく、就農に反対していた父親の話です。収穫したお米を炊いた際、「米が光っているぞ!」と興奮して電話をかけてきました。それ以降、農業への反対を一切口にしなくなったそうです。
また、そら豆の自家採種に関するお話も象徴的です。採種を始めて5年目までは、アブラムシがびっしりと発生していました。しかし5年を過ぎた頃から、虫がまったく寄り付かなくなったといいます。土と種がその土地に適応し、生命力を高めていく自然の摂理が表れています。
まとめ:技法の手前に「感謝と敬意」を置く
自然農法の実践では、雑草管理や土壌観察、作付け計画といった技術が欠かせません。しかし今橋さんのお話は、作物が人の心を映し出す命であることを示しています。
- 怒りや焦り、損得勘定で作物に接していないか
- 「育って当たり前」と思わず、土や作物に感謝しているか
栽培者が清らかな心で寄り添い、作物や土を信じて向き合う姿勢が何よりも大切です。その心のあり方が植物本来の力を引き出し、豊かな実りや人を元気にする作物へと結実します。
日々の農作業の中で、目の前の苗や足元の土に対して感謝の言葉をかけてみてください。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。












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