自然栽培において、多くの生産者を悩ませる害虫のひとつがナメクジです。自然農法で育った野菜は美味しく、野生動物や虫たちにとっても格好の餌となります。
自然栽培歴20年の今橋さんは、ナメクジを敵対視して排除するのではなく、共存しながら作物を守る方法を実践しています。今橋さんが実際に行っている対策と、ナメクジの食害が起きなくなった畑の観察記録を整理しました。
ナメクジの被害を抑える5つの実践的手法
今橋さんは、殺虫剤などを使わずに作物を守るための具体的な対策をいくつか挙げています。
1. 定植の時期をずらす
最も手軽で効果的な方法として、定植時期の調整が挙げられます。週間天気予報を確認し、雨が続くタイミングでの定植は避けます。雨が3日ほど続くと、ナメクジの活動が非常に活発になるためです。
雨が去り、晴れが続く時期を選んで苗を植え付けます。たとえ定植の予定日が多少遅れたとしても、晴天が続く時期に植えた方が苗は力強く育ちます。
2. 植える場所と日当たりの選定
ナメクジが好む日陰への定植は避けるのが基本です。どうしても日陰になりやすい区画には、ナメクジがあまり好まない野菜を選んで栽培します。
ただし、完全に日が入らない場所ではなく、少なくとも午前中はしっかり日が当たる条件を整えることが大切です。
3. 通路の撹乱と日光浴
土を適度に刺激すると、ナメクジの数が目に見えて減っていきます。トラクターの爪などで通路の土を引っ掻くように耕すと、驚いたナメクジが逃げ出します。
除草の際も、土の表面を軽く叩いて日光に当ててあげます。この作業を行うだけでも、数日間はナメクジの接近を防ぐ効果が得られます。
4. ケールやキャベツの茎を使った「おとり作戦」
今橋さんが独自に実践しているのが、前年に収穫を終えたアブラナ科作物の茎を活用する方法です。種を採った後のケールの茎を乾燥させて保管しておきます。
雨が降りそうな時期になったら、その茎を水にたっぷり浸して野菜の株元に置きます。ナメクジは生えている野菜よりも湿った茎を好むため、そちらへ集まります。夜間の見回りの際も、茎に集まった個体をまとめて回収できるため効率的です。キャベツの茎などでも同様の応用が可能です。
5. 夜間の見回りと移動
夜間に手袋をして畑を見回り、手でナメクジを拾い集める作業も行われています。一般的には銅線を張ったりビールトラップを仕掛けたりする方法もありますが、今橋さんは直接の見回りを重視しています。
集めたナメクジは殺傷せず、畑から離れた遠くの場所へ逃がします。命を奪うのではなく「ありがとう」と感謝を込めて移動させることが、共存の第一歩とされています。
イギリスにおける深刻なナメクジ事情
今橋さんが拠点を置くイギリスでは、日本とは比較にならないほどのナメクジが発生します。過去には近隣の農家で、10ヘクタールもの小麦畑がナメクジの食害によって全滅した事例もあるほどです。
秋や冬に近づくと、ナメクジの個体は手のひらほどの大きさにまで成長します。夜間に1時間見回りをするだけでも、容器いっぱいのナメクジが捕獲される環境です。そのため、こまめな管理と適切な工夫が不可欠となります。
ナメクジが寄り付かない・食べられない不思議な畑
長年自然栽培を続ける畑では、興味深い現象も確認されています。
連作とフカフカの土による変化
自家採種27年目となるカボチャの苗を、13年連作している区画に定植したところ、周囲には大量にいるナメクジがその場所だけほとんど見られませんでした。
全く同じ自家採種の苗を連作していない別の畑に植えたところ、そちらは葉が激しく食べられていました。土が非常にフカフカに育っていることや、長年の連作によって土壌環境が安定していることが、虫を寄せ付けない要因ではないかと考察されています。
存在しているのに野菜が食べられない現象
タマネギやワケギ(スプリングオニオン)を栽培している区画では、別の変化が見られました。
草マルチをめくると、土の表面には無数の小さなナメクジが生息しています。水気があるためナメクジが集まる場所ですが、作物の葉はほとんど食害を受けていません。生育への影響も出ていない状態です。
以前は同じ場所でも激しく食べられていましたが、年数を経るごとにナメクジがいても作物が傷まない状態へと変化してきました。土壌のバランスや作物の生命力が向上した結果とも考えられます。
ナメクジと敵対しない心構え
ナメクジの発生に対して不満を抱くのではなく、畑の生きものとして受け止め、上手に付き合っていく姿勢が語られています。
天候を見極めた定植時期の選定や、乾燥した茎を用いた誘導など、無理のない工夫を重ねながら作物を育ててみてください。
出典・元動画:
自然栽培20年の今橋さんのYouTubeチャンネルより
※本記事はAIによる要約と文字起こしデータに基づき、内容を整理したものです。
※今橋さんの素晴らしい取り組みを応援したく、学びを共有させていただきます。











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